毒食わば皿まで 2

毒食わば皿まで http://dokusara.exblog.jp の続き

ナタリア・ヒルズ!!

みなさま

 

お盆もお盆とていつものように働く弊社ですが、土日はお休みして、巨匠の最推し大御所の一人、ナタリア・ヒルズの、土曜はワークショップ(レッスン)とミロンガ、日曜はデモ、ミロンガ、ドキュメンタリー映画見に行ってきました。

ナタリア・ヒルズ【ELLA BAILA 】8月日本公開 - YouTube

ナタリア・ヒルズさんというのは、私より少し年上くらいのダンサーです。

アルゼンチンタンゴは、ざっくり言うと、世界大戦前くらいからその最中ごろに、黄金時代を迎えました。南米は戦場にならなかったのでいろんなものを南米で作ったり南米から供給したりして、その時代アルゼンチンを含め南米は儲かっていたので、アルゼンチンタンゴにとっても良い時代だったようです。その黄金時代に、夜な夜なタンゴのパーティ(ミロンガ)で踊りまくっていた人たちが、だいたい世代的に私たちのおじいちゃんおばあちゃん世代に当たり、そう言う人たちの中で、ブロードウェイに出て行ってタンゴのショウをしてブレイクさせたのが、フアン・カルロス・コペスだったりします。

[2021.01]【追悼 フアン・カルロス・コペス】(タンゴダンサー、振付師)|e-magazine LATINA

ナタリア・ヒルズさんというのは、この黄金時代に活躍したダンサーたちを直接知っている最後の世代に当たるようで、そのナタリア・ヒルズさんに若い頃からの黄金時代のマエストロたちのことなども含めてインタビューする、というのを主にしたドキュメンタリー映画を、自主制作みたいなものだと思うのですが、撮られていて、その上映会があり、それに絡めて来日があり、ワークショップやらデモがあったのでした。

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(わたしの先生たちもデモに出てました)わたしは正直ビビりなので、大御所と聞くだけでビビってしまい、レッスン受けても、ひー!と飲まれてしまってあまり何にも覚えていないことが多いです(昔々のバレエのボリショイかワガノワのオープンレッスンとか、前に受けたジェラルディンとエセキエルもビビっただけになった)。けど、巨匠が、タンゴやってみよと思うなら、ナタリアさんは受けた方がいいと思うけどな、と、七月の頭か六月くらいからずっと言っていて、ビビっていたのと、忙しかったのにかまけて、ワークショップも何も予約しないで、モヤモヤ放っていました。いよいよ8月になり、忙しさにひと段落つき、お尻に火がつきにくい巨匠もいよいよ予約やなんやし出して、私もやっぱワークショップ受けたい!と、ギリギリになってユカコさんに聞いたら、コロナのせいでキャンセル出てるから多分いける!と言ってくれて、ワークショップにねじ込んでいただいたのでした。

そんで、ビビりながらワークショップへ。巨匠は全2コマとってるのかと思いきや、1コマだけだったので、わたしだけ全2コマ参加。

最初、まず踊ってみて、と言われて、巨匠がいなかったので一人でポーっとしていたら、オーガナイザーのGyuさんが声かけてくださって、一曲ガチガチに緊張したまま、ゆっくり歩いていただきました。Gyuさんと踊ってもらえたのがまずラッキーでした。

それから、ナタリアさんと一緒に来ていたエルナンさんとで、これは歩き(カミナンド)から教えたらなあかんな、ということになり、足の裏のことから説明を受けました。

メタタルソ、母趾球を意識して、ずっと床から離さずに、膝を柔らかく、ということを丁寧に何度も言われました。メタタルソて、初めて聞きました。あと、歩く練習する時、手をどこにやっていたらいいかわからないので、邪魔にならないように適当に腰に手を当てていたら、ナタリアさんが私の肘を取り、肘は下、ちょっと前に、それで肩甲骨を広げて胸は上、胃は中へ、という上体でカミナンドして、と言われました。

ちょっとみんなわたしの背中触ってみて、これがアブラッソの時の背中ですよ、と、言われて、みんな生仏触るみたいに、ナタリアさんの背中触って、肩甲骨がグーッと外へ開いて背中が出来上がるのを感じました。それから、エルナンさんが、2歩ゆっくりあるいて、3回その場で体重移動、お尻振らないで、というセットを教えてくれて、何回もその練習。男女役割交代して歩いたりもしました。昔は女性が少なくて、男性が女性役で練習したりもしたのです、こうやって交代して練習することはとても大事です、と、エルナン先生は言っていました。約1時間、ずっとメタタルソ意識して歩いたりして、一生懸命になっている間に、一コマ目終了。

気づいたら巨匠が来ていて、2コマ目、エレガンシア、というテーマのワークショップ。

エレガンシアてなんなん、と思っていたら、アブラッソ(タンゴの抱擁、向き合って組み合う形)の仕方の説明を受けました。このアブラッソのために、タンゴは他のラテンダンスと違い、エレガンシアがあるのだ、と、説明をしていて、なんか、ナタリアさんがタンゴをすごく誇りに思っていることが伝わってきて、なんかジーンとしました。

それから、一連のステップの流れをならって、何度も練習しました。女性が多くて、組んで踊るのに余ってしまっていたところ、なんと、ナタリアさんは、横で溜まってる女子たちにステップの自習を教えてくれました。(親切!熱心!)

そんで、よく練習した最後に、お手本を録画させてくれました。すごくゆっくり丁寧な動きで、エレガンシアとはこれか、という感じ。後で音無しで動画見たら、スローモーションで撮影したのだったかしら、と思うくらいゆっくりじわーっとした動きで、巨匠に、これやで、これ、と言われました。

バレエで言うと綺麗なパッセに毎回正確に入るのを見たような、難しい動きではないけど、正確でゆったりして綺麗、そう言う動きでした。

ワークショップの後はエルナンさんのDJでミロンガがありました。

ミロンガの間、ナタリアさんはニコニコ一人で座っていたので、今日のレッスンがとても良かったことを伝え、家で毎日練習します、と行ったら、プラクティス、とにかくプラクティスですよ、と、ニッコリされました。そんで、写真撮ってもらいました。

f:id:dokusara:20220815145625j:image家宝にします。そんで、ちゃんと練習します!

ミロンガでは、巨匠に最初に踊ってもらった直後に、私の好きなD'AgostinoのTres Esquinas かかって、あー、踊りたい曲!と思ったけど巨匠はさっき踊ったとこなので他の人と踊ってしまい、誰か踊ってくれんかな?と、キョロキョロ見渡しましたが、別の男の人もみんな他の人誘ってしまって、あぶれてしまったわ、と思ったら何とGyuさんと目があって踊ってもらうことになったのでした。

Tres esquinas - Ángel D'Agostino - YouTube

このバイオリンの入りがめっちゃ好きです。Gyuさんはゆっくりじわーっと踊ってくださいました。

緊張しましたが、めっちゃよかったです。

土曜、帰り道、ワークショップ受けれてよかったわー、と巨匠に興奮気味に話し、帰ってからも巨匠復習してくれて、めっちゃありがとうございました。

ユカコさんも、ワークショップにねじ込んでくださってありがとうございました!

 

そんで、日曜。

今日は映画とデモやで、と、心斎橋に見に行きました。大丸のところから地下鉄でたら、正面にカステラの銀装があって、巨匠が子供の頃からお父さんが何かの折に買ってきてくれた思い出のカステラを食べてコーヒーにしました。f:id:dokusara:20220815194535j:imageわたしはミックスジュース。めっちゃバナナ濃くて濃厚。

我らがくま23は、トロイロが好きなのですが、なぜかと言うと私が初めて買ったタンゴのCDがトロイロのものだったから、最初それしか知らなかった、というつまらぬ理由からです。

なんでトロイロのCDを最初に買ったのか、と言うと、私がタンゴを始めた時、たまたまその前年に公開されたコペスとニエベスドキュメンタリー映画のポスターが当時カフェティンに貼ってあり、何にも知らなかったけどタンゴのCDほしいな、と思って、適当にその映画をググって、トレイラーを見、トレイラーの中でかかっていたQuejas de Bandoneonていう曲がカッコええな、と思い、それが入っているCDを選んだ、という経緯からでした。このコペスさんというのはナタリアさんのお師匠のうちの一人で、コペスさんとトロイロとナタリアさんと、それぞれ関係あるのかないのか、ナタリアもトロイロが好きで、「トロイロがまだうまく踊れない(?え?なんですと?)」と映画の中で言ってたのでした。

映画の中で、ナタリアは、自分がマエストロたちと踊ったことを伝えていきたい、ノスタルジア、ということを話していていました。子供時代のナタリアがすでにおじいさんになっていたコペスやペピートといったマエストロたちと踊る古い映像とインタビューが組み合わさった映画で、とても興味深く見ました。これ、ペアダンスやからこその意味合いあるよなと、バレエのレッスンとはまた違ったニュアンスを思い浮かべて見入りました。

ナタリアとエルナンのデモも見ました。

最初いた席からよく見えなかったので、巨匠と前に出て床に座ってかぶりつきで見ました。

あぁ、もうすごい。大ファンになりました。なんと、わたしの好きなTres Esquinasで踊りました。

全然派手なことはしないのに、全然普通と違う、なんか見ただけで健康になりそうな波動が出てるダンスでした。ありがたや。

f:id:dokusara:20220815201607j:image23たちもナタリアの大ファンになりました。

ほんま、良きイベントでした。参加できてよかったです。

最後の最後に挨拶に行きました。巨匠は昔、ナタリアのプライベートレッスン受けたことがあって、わたしはまさかナタリアさんが巨匠のこと覚えてるわけない、たくさんの人と会ってはるのに、と思ってたのですが、なんと、ナタリアさんは巨匠のことフォトグラファーの、と、覚えていたのでした。も、横で見てて勝手に感激しました。f:id:dokusara:20220815202009j:imageほんま、デモ見れてよかったなぁ、映画もよかったなぁ、ワークショップも受けれてよかったなぁ、と、ホクホクして会場を後にしました。

ユカコさん、Gyuさん、ナタリアさん、エルナンさん、巨匠、ありがとうございました!

f:id:dokusara:20220815202148j:imageそれから、道頓堀を越えて、マイドウ西安という中国人しかいない店に行き、羊の臓物スープを食べて帰りました。f:id:dokusara:20220815202249j:imageお店の公用語は中国語でした。青島で食べた好きなやつ、大阪で食べられてよかったです。

はー、すっかりナタリア・ヒルズのファンになりました。

練習がんばろ。

 

ごきげんよう